大峰山修験道で山上ヶ岳から更に奥に向かう「奥駈け」と いう殊更苦行を行う修行のコースがあります。 この奥駈道は、別名奥通り道とも呼ばれ、ここでの修行は 山岳宗教の原点とも言われています。生半可な心構えで は決して踏破することができないこの難路に、山伏達は不 屈の精神を持って修行に励みました。 山伏達にとって山 そのものが神であり、信仰の対象であるため、苦行を全う することが修行の道であったのです。 2004年に世界遺産にも登録されたこの地に修行の旅にい らっしゃいませんか。
1300年以上もの歴史がある前鬼(ぜんき)は、大峰奥駈修行の第29番の行場で 宿泊地にもなっています。 役の行者に従事した前鬼(義賢)、後鬼(義覚)の子が住みつきました。 前鬼はここに住みつづけ、後鬼は天川洞川に住みました。 5人の子は真義(五鬼熊・行者坊)、義継(五鬼継・森本坊)、義上(五鬼 上・中之坊)、 義達(五鬼助・小仲坊)、義元(五鬼童・不動坊)の五坊を 建て自給自足の生活をしながら、修験者の世話をし自身も修行を続け てきた場所です。
*前鬼 後鬼(ぜんき・ごき)は、山岳修行の開祖が従えていたとされる夫婦の鬼。 前鬼が夫、後鬼が妻である。